該当作品

摩有
おしおき[0]
「やあ、そこにあったんだね! 真菜ちゃん、サンキュ」  すいっと拓也は木馬から立ち上がった。満面の笑みで真菜に近づくと、プラスティックのリモコンには目もくれず、その桃のような頬にキスをした。  真菜...
【キーワード】極限状態 アンモラル 遊戯 シニカル 享楽
藤代京
クエイク[0]
「なあなあ、明日地震来るって噂知ってるか?」  気まずい雰囲気をなんとかしようと、男はおちゃらけて言った。  女はそんな気遣いは意に介しなかった。 「馬鹿じゃない、そんなのとっくに知ってるわよ」  男の顔...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 あまり官能的でない掌編 極限状態
乱 高太郎
今を、輝く[0]
 九月の日差しはまだ暖かく、すがすがしい空気の中、病院の中庭では、人々が明るい笑顔を振りまいていた。  しかし、ぽつんと独りでベンチに腰掛けている少女の表情は、暗く沈んでいた。まるで彼女の回りだけは...
【キーワード】戦争 極限状態 レトロチック 郷愁
夜長卯紗戯
カリタス ロマーナ[0]
 気がつくと僕は薄暗いじめじめしたところにいた。  周りを見回すとそこは岩を穿って作った洞穴のようだった。後ろはほぼ暗闇。  そして、前方にぼんやりと薄明かりがさしている。  目の前には格子がはまって...
【キーワード】極限状態 アブノーマル 頽廃的
犬井赤人
雌猫[0]
 いつごろから、こういう関係になったかははっきりと覚えていない。 でも確か、薄れた記憶が正しければ、前の彼女が交通事故で死んでしまってからだと思う。  前の彼女が死んだその日、やり場の無い怒りを、偶...
【キーワード】極限状態 アブノーマル フェティッシュ
くりきん
「夜がキバむくホテル街」[0]
 私は毎週土曜日の夜9時を楽しみにしている。それは毎週欠かさず観ているテレビ番組「必殺仕置人」が放映されるからだ。前作の「必殺仕掛人」も良かったが、「仕置人」に登場するキャラクター「念仏の鉄」に私...
【キーワード】極限状態 アブノーマル アバンチュール アンモラル ホラー
姫ノ木ライカ
Black Bitter[0]
本当に・・ 貴方の事が好きなんです。 でも 時々、どうしようもなく 「憎く」思う時があるんです。 「大好きだよ。」 そう囁いて口付けをくれる貴方。 ふわりと温かい感触に包まれて、満たされる瞬間。 けれども、それは...
【キーワード】極限状態 同性愛 シニカル
姫ノ木ライカ
「大人ファンタジーシリーズ④」遊園地[0]
+++1 僕が寝ている部屋の窓からは観覧車が見える。 あそこには「遊園地」があるんだってシスターが言っていた。 僕が行った事のない場所。 行きたくても行けない場所。 +++2 ゲボッ・・・ゴホ・・ッ・・・ハァ・・ハァ...
【キーワード】極限状態 同性愛 シニカル ファンタスティック
くりきん
「幸福の銃口~復讐鬼と食人鬼」[0]
 ジャンが私のグラスに真っ赤なワインを注いだ。  私はグラスに手を伸ばし、血のように赤いワインの芳香を楽しむ。  もちろんテーブルの上には、豪華な肉料理が用意されている。普通の人間ならば、それらに舌鼓...
【キーワード】極限状態 アブノーマル フェティッシュ アンモラル 頽廃的
くりきん
「養豚場2~見世物小屋外伝」[0]
 俺は秀美の前に盆に盛られた、冷えたチャーハンを差し出す。もちろんスプーンやレンゲ、箸の類いはない。  首輪を嵌められ、鎖で繋がれた秀美は直に盆に口をつけると、豚のようにチャーハンを貪り始めた。(こ...
【キーワード】極限状態 アブノーマル フェティッシュ アンモラル
くりきん
「下意」[0]
 持立藩十万石。  その藩主、持立長門守時常は己の欲望のためならば、周囲を顧みぬ人柄であったという。  持立長門守に仕える、仲睦まじい侍の夫婦がいた。桑原左門とその妻、みよである。  左門は若き徒衆で、...
【キーワード】極限状態 本音 和風 レトロチック
くりきん
「女淫隠密録・五~慟哭」[0]
 鈴丸は一定に距離を空けず、尾行する何者かの気配を感じ取っていた。どうやら、その足取りからして女らしい。ということは、追手は鈴丸と同じくノ一ということになる。  しかし、鈴丸には不思議だった。追跡者...
【キーワード】極限状態 アブノーマル 和風 フェティッシュ レトロチック 同性愛
くりきん
「女淫隠密録・四~蛸壷の術」[0]
 鈴丸は追われていた。鈴丸には追われる理由がわからなかった。何せ鈴丸を追い、攻撃を仕掛けてくるのは味方のはずの伊賀忍者なのだ。  今、鈴丸は相模の国と駿河の国を隔てる、小さな漁村まで来ていた。この村...
【キーワード】極限状態 アブノーマル 和風 フェティッシュ レトロチック アンモラル
くりきん
「女淫隠密録・参~言霊と獣遁」[0]
「ちっ、二人か・・・・・・。まだつけてくる・・・・・・。しつこい奴らだ・・・・・・」  地面に耳を付けた鈴丸が舌打ちをする。  鈴丸はそのまま樹幹へと跳んだ。だが、この程度のことで追手からの追求を振り切れるはずもなかっ...
【キーワード】極限状態 アブノーマル 和風 フェティッシュ レトロチック アンモラル
くりきん
「女淫隠密録・弐~盛皿」[0]
「ううぅぅぅーっ・・・・・・」  荒縄で後ろ手に縛られた鈴丸が呻いた。鈴丸の口には猿轡がはめられ、当然のごとく衣類は剥ぎ取られている。  そして、鈴丸の背後で汗を垂らしながら蠢く、でっぷりと肥えた男こそ熊笹...
【キーワード】極限状態 アブノーマル 和風 フェティッシュ レトロチック アンモラル
くりきん
「女淫隠密録・壱~蝦蛄貝の術」[0]
 紺碧の月夜に浮かぶ熊笹城。その城で異変が起こっていた。警護の侍たちは何故か皆、倒れている。死んでいるわけではない。ただ眠っているだけだ。それが証拠に鼾をかいている者もいる。  城の二の丸近くに立つ...
【キーワード】極限状態 アブノーマル 和風 フェティッシュ レトロチック アンモラル
摩有
カタツムリとペニス[0]
 この工場地帯の町にある僅かな緑にも、稀ではあるが、ちいさき命を発見できる。埃や古い油のような匂いを染み込ませたこの町を、連日の雨が洗い流し、むわっとする湿気を孕ませていた。空の色は重たい。  黄色...
【キーワード】極限状態 レトロチック 遊戯 郷愁
緋川小夏
妄想日記(35歳・サラリーマン)[0]
 4月×日(日)晴れのち曇り   妻がいなくなった。  寝室には脱ぎ捨てられた僕のパジャマだけが、脱いだ時のそのままの状態で主人の帰りを待っていた。書き置きなどは何も残されておらず、家の中から妻の持ち物...
【キーワード】超短編官能小説 極限状態 本音 アブノーマル
くりきん
「5万マイル」[0]
 ベトナムの夜は蒸し暑く、ジャングルを湿気で包んでいる。その夜は赤い月が空を支配していた。まるで血に染まったような月の色が、見る者に不吉な予感を抱かせる。取り巻く湿気といい、決して心地よい夜ではな...
【キーワード】戦争 極限状態 レトロチック 告白
くりきん
「二間島の伝説」[0]
 昔、安房の国の元名というところに、さきという海女がいた。歳は十六で、近所でも評判の美女であった。更に気立てが良く、独り身の男は皆、「さきを嫁に」と心の中で思っていたほどである。  早くに漁師の父を...
【キーワード】極限状態 ポジティブ 和風 フェティッシュ 化身 レトロチック ホラー
くりきん
「戦友に捧げるブルース(後編)」[0]
「大丈夫か?」  私は怯えてすくむ女に手を差し伸べた。しかし女は私の手から逃れるように身を捩った。日本語を解さないこともあったろう。しかし久保田に強姦され、その上、目の前で人が殺される場面まで見せら...
【キーワード】戦争 極限状態 レトロチック アンモラル
くりきん
「戦友に捧げるブルース(前編)」[0]
「先生、これがフィリピンパブですよ。今日は貸し切りです」  私は不快感を露わにした。それは私だって女性のいる店は嫌いではない。しかしよりによって、何故フィリピンパブなのだ。私はこの店を案内した後援会...
【キーワード】戦争 極限状態 レトロチック アンモラル
緋川小夏
「桜心中」最終話・白い花びら[0]
「ああっ……いやっ……」  湿った肉の触れあう音が、静かな部屋にいやらしく響く。私は不自然な格好のまま足を大きく開いて、恥ずかしさゆえに生じる強い快感に身悶えた。 「可愛い……可愛いよ、俺の理沙子……...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 極限状態 和風 化身 レトロチック ノーマル
緋川小夏
「桜心中」第九話・花嵐[0]
 風呂から戻ると、部屋には既にふた組の布団が並んで敷かれてあった。その脇では石黒が、ひとりテレビを観てくつろいでいる。 「おかえり。ずいぶんゆっくりだったな」 「ちょっと体が冷えちゃって……。じっくり...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 極限状態 和風 化身 レトロチック ノーマル
緋川小夏
「桜心中」第八話・しだれ桜の木の下には[0]
 歩くたびに、よく磨かれた木の廊下がかすかに軋んだ音をたてる。大広間の方から、賑やかな笑い声が響いて来た。その笑い声が石黒から告げられた言葉と重なって、私の背中に重くのしかかる。  大浴場は、宿の離...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 極限状態 和風 化身 レトロチック ノーマル
緋川小夏
「桜心中」第七話・告白[0]
 出された料理は、吉野の郷土食を採り入れた季節の会席料理だった。色鮮やかな料理達が、それぞれ個性的な器に美しく盛り付けられている。 「理沙子も飲まないか」 「……そうね、せっかくだから、一杯だけいただ...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 極限状態 和風 レトロチック ノーマル
緋川小夏
「桜心中」第六話・刹那の宿[0]
 宿は大正時代に創業された老舗旅館で、吉野山の傾斜に沿って建てられていた。そのおかげで全室の部屋から、上千本と中千本の桜が一望できる造りとなっている。  部屋に戻ってお茶をいれると、気持ちが少しずつ...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 極限状態 本音 和風 レトロチック
緋川小夏
「桜心中」第五話・過去[0]
 産婦人科で妊娠を告げられたとき、私は産むつもりでいた。貯金なら今まで働いた分が少なからずあったし、三十六歳という年齢を考えると、子供を産むのはこれが最後のチャンスかもしれないと思ったからだ。  け...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 極限状態 本音 和風 レトロチック
緋川小夏
「桜心中」第四話・一目千本[0]
 もう少し山の上の方まで行ってみることになり、奥千本行のバスに乗り込む。乗客は年輩のグループや家族連れが多く、咲き誇る桜の景色と相まって、バスの中は華やかな空気に包まれていた。  終点でバスを降りて...
【キーワード】超短編官能小説 大人中心 極限状態 本音 和風 レトロチック
西方 晴(にしかた はる)
「祓い師 CASE2・卓巳」[0]
 一瞬、衝撃で息が止まりそうになった。手加減なしに突き飛ばされて、背中を壁にしたたかにぶつけたのだ。  乱暴にドアを閉める音。ロックをかける金属的な響き。 「な、何す……」  立っているのが、やっとだっ...
【キーワード】極限状態 ホラー 同性愛
くりきん
「担当医御机下」[0]
「最近、調子はどうですか?」  優しそうな先生の声が診察室に響く。 「はい・・・・・・。またここのところ、ちょっと調子が良くないんですよ」  中年男性だろうか。覇気のない患者の答えが返ってくる。しかし私には、...
【キーワード】極限状態 アブノーマル フェティッシュ
藤代京
月に狂って[0]
 車のヘッドライトが闇を殺して、夜の木々を照らしています。  こんな無粋な灯りに頼らないと行動できない人間は、なんと愚かでわずらわしいのでしょう。  でも、わたしもその愚かな人間です。  裸のお尻にシー...
【キーワード】超短編官能小説 極限状態 本音 アブノーマル モノローグ メタファー フェティッシュ アンモラル ホラー
くりきん
「鬼女の棲む山」[0]
 与助は必死で逃げた。もう丑三つ時は過ぎているだろう。だが、追求の手は一向に緩まない。与助を探す松明の灯火が村のあちらこちらに蛍のように見える。もう引き返すことは出来なかった。  与助は玉川村のツブ...
【キーワード】極限状態 和風 レトロチック ノーマル
くりきん
「迷いの森」[0]
 私の患者が行方不明になってもう5日経つ。患者というより「彼女」と言った方がいいだろう。私たちは既にそういう関係になってしまったのだから。  「彼女」は5日前、紅葉狩りに行くと言って北関東の山へ向か...
【キーワード】極限状態 化身 ホラー
藤代京
支配[0]
 もう濡れてるんだろう?  男がソファに座ったまま囁いた。  カーテンを閉め切った部屋は、薄暗く子どものオモチャが散らかっているのが見えた。  女は哀願する。  もうやめてください。  男はその声に発情の臭...
【キーワード】超短編官能小説 極限状態 アブノーマル
路人
「レイン」[0]
 一番に好きなのは、真夏に降る雨。  それも地鳴りのような遠雷が遠く低く鳴り渡った後、急に降り始める夕立の雨だ。  真夏の空に湧いた入道雲には大地の熱い情熱が込められていて、降り注ぐ雨は暖かなシャワー...
【キーワード】極限状態 アブノーマル モノローグ フェティッシュ アバンチュール
西方 晴(にしかた はる)
「峠のばば (3)」[0]
 ええっと、そうそう小萩と恵音の話でしたね。  まあ、そんな具合だったんですけれど、二人ともそのまま何とか持ちこたえようとしたんです。それぐらい思い合っていたんですよ。  恵音は目は見えなかったけれど...
【キーワード】極限状態 和風 モノローグ 化身 レトロチック ホラー
西方 晴(にしかた はる)
「峠のばば (2)」[0]
 初めて聞いた話? ほほほ、そりゃそうでしょう。こういうのはこのあたりでも年寄りしか知りませんからねえ。  え、なあに? 大学の? サークル? 怪奇現象の? へえ、あなたそんなことをしているの。怪談...
【キーワード】極限状態 和風 モノローグ 化身 レトロチック ホラー
西方 晴(にしかた はる)
「峠のばば (1)」[0]
 はいはい、お待ちください。今、開けますよ。どちらさま――まあ、あなた一体どうしたの、全身ずぶ濡れで。エン……エンスト? 車が動かなくなって、道路に置いて歩いてきたの? こんな雨の中を難儀だったこ...
【キーワード】極限状態 和風 モノローグ 化身 レトロチック ホラー
藤代京
囁き[0]
 白いシーツの上で男と女が、座って向き合っていた。  シーツは既に、汗を吸って乱れていた。  二人とも下着姿だった。  男が乳房に手を伸ばす。男の指が白いレースの感触を楽しんだ。カップの中に指が潜りこむ...
【キーワード】極限状態 アブノーマル アンモラル
くりきん
「送り屋無情」[0]
 金曜日ということもあってか、その日、バーは混みあっていた。  22時00分。  私は焦っていた。約束の時間まで後3時間しかない。 (この私に言い寄ってくる男が一人もいないなんて・・・・・・)  私はバーの中を...
【キーワード】極限状態 ホラー
くりきん
「極楽鳥」[0]
「そうか、マラリアか・・・・・・」  衛生兵からの報告を受けた隊長が、苦しそうな顔をして、寝転ぶ私を見つめた。私にだってわかっている。こんな自分がお荷物だということくらい。ただ、非情に徹しきれない隊長の心...
【キーワード】戦争 極限状態 化身
緋川小夏
「ジンメンソ」[0]
 薄暗い部屋の中。ベッドの脇にある大きな鏡に、あられもない私の姿態が映っている。鏡の存在を「悪趣味だ」と笑いつつも、寝乱れる自分の姿を目の当たりにして欲情を煽られてしまう。 「すごいね……舐めても舐...
【キーワード】超短編官能小説 極限状態 アバンチュール ホラー
緋川小夏
「枇杷心中」[0]
「枇杷が食べたい」  やっと探し当てた僕らの死に場所を前に、まだそんなことを言うんだね君は。 「私、本当は枇杷が大好きなの。でも枇杷って季節が限られているし値段も高いじゃない? しかも種が大きいから、...
【キーワード】超短編官能小説 極限状態
緋川小夏
「月に抱かれて」[0]
 月が雲に隠れたのを見計らって、私は走る。サンダル履きの足には夜露に濡れた草がからみつき、肌をびっしょりと濡らす。ころころと鳴く虫の声。風の音。  早く、もっと早く走らなければ月がまた雲の影から姿を...
【キーワード】超短編官能小説 極限状態 レトロチック アンモラル